騎士マキシム

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<2>  イフェを包囲したウーゲニア軍は、勢いを盛り返した独立戦線に大敗した。  痛撃を与え、弱っていたはずのザフール隊の動きが並ではなかった。  わずか五百ばかりのザフール隊が黄金の兜を締めた男を先頭に押し立て、遮二無二突撃してマウル元帥の本陣に殺到した時、元帥は恐怖のあまり逃げ出してしまい、ウーゲニア軍は壊走した。  この大敗は予想以上の痛撃をウーゲニア軍に与えた。  万を超えたはずのウーゲニア軍はほとんど全滅状態となり、一方の独立戦線はラシェルを失った怒りに燃え上がり、今や総兵力は一万を超え、怒涛の勢いでラテリアへ押し寄せる。  歴戦のマウル元帥もさすがに動揺し、うろたえた。  元帥はあまりにも兵力が不足していると国務卿に訴える。  元帥直属の駐留軍はわずかに一千。国務卿の率いる憲兵一千を合しても、日に日に増強される独立戦線を迎撃するには戦力が足りなすぎた。  だが、国務卿ボンプールは冷静であった。いや、冷徹であった。
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