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 全く意味がわからない。  別にいろんな女の子を取っ替え引っ換えしたわけじゃないし、誰かと付 き合ったわけでもない。  女の子とエッチもしたこともないし、女の子と手をつないだのだって小学校の体育の時間が最後なのだ。  そんなあだ名を付けられてしまい随分損した気分になった。  その上そのネーミングセンスだ。昭和臭さ満点で言い出したヤツのセンスを疑う。  せめてもの救いは、『南澤はオンナに興味がない』と言われなかったことだけだった。  しかしその年の十月、つまり二年前だ。それが冗談ではすまされないことが俺に起こった。  きっかけはその年の学園祭である。  白鳥の学園祭は、毎年十月の一週目の週末に行われていた。  生徒会執行部では、夏休みに入るとすぐに準備に取り掛かる。  夏休み返上で学園祭の準備に取り掛かるのだ。執行部だけじゃなく、クラス単位でも準備は始まり、早いところだと夏休み前からダンスの練習や衣装の製作に取り掛かる。  とにかく白鳥の学園祭は、夏の暑さより熱かったのだ。
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