第二章 墜落イレブン

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「アクメの後の弛緩した肉体に我々が開発した筋肉増強剤を注入する。タイミングが重要だ。オーガズムを迎えた後が、もっとも薬液の吸収率が高く、効果が大きい。副作用としては、腎機能の障害、声の低音化、クリトリスの肥大などがあるが――」  芽衣はあっけにとられた。特殊なトレーニング? これは立派なドーピングではないのか。 「効果を疑っているのかな? 安心したまえ。男は交代制で、彼女たちはかれこれ十二時間、交尾を続けている。反応速度、持久力、アジリティ(敏捷性)、心肺機能、筋肉量……五つの項目において120パーセントの能力向上を見せている」  チームに戻ったとき、レギュラーメンバーを圧倒するだろう、そう得意げに語る老人。しかし、芽衣はまったく別の部分に反応していた。  十二時間、ヤリっぱなし?……
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