2016年 夏

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何より窓ガラスが割れたことに気が動転して、そんな腕の汚れなんか後回しだった。 散らばったガラスを拾い集めていると、夜だというのに近所のおばちゃんが外に集まっているのが見えた。 パトカー、消防車、次いで救急車も走って行くのが見えた。 ただ事ではない何かが起きているのはわかっている。 でもそれよりも、割れた窓ガラスの修理費ばかりが頭をよぎる俺だった。 「あれ……へんだぞ……」 ガラスを片付けていると、急に体が熱っぽくなってきて目まいがしてきた。 その場に倒れるとそのまま意識が飛んでしまった。
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