グリーンハイツへようこそ!

両親が死んだ。

しかも、自分たちで採ってきたキノコを食べて食中毒とかいう、笑えない理由で。

食べ物に関しては、えらく認識の甘い両親だった。
賞味期限切れのもが食卓に並ぶことなんて当たり前だったし。
危険なものは食べるなとあれほど云ったのに……。

まあ、過ぎたものを悔やんでも仕方ない。

よくよく思い返すと、食べ物だけじゃなく、全てに楽観主義な両親だった。

欺されて借金、などということだけは幸いなことになかったが、親類縁者に云われればほいほいとすぐに金を出す。

残り二年の大学を中退することも覚悟したが、一応、生命保険や預金なんかでそれなりのまとまったお金が残り、最後までちゃんと送れるなとかほっとしたのも束の間。

気づけば親類に、寝たきりになってる祖父の介護費用だとか、いろいろ理由を付けて根こそぎ奪われ、家も勝手に売りに出されてた。

弱り目に祟り目、とでもいうのか、さらに唯一残された寮の管理人が腰を痛め、急に辞めることに。