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『他にご家族は?』
『私だけです。姉は独り身でしたから』
独り。
意外な事でもなかった。
ナオは結婚に向いている女性ではなかったから。
それでも華やかだったナオの最期に立ち会うのが妹だけとは、寂しすぎる気がした。
『ご両親は?』
『父は……去年十三回忌を終えました。母は地元の病院で入院中です』
『お父様、亡くなられてたんですか』
十三回忌。
ナオと別れてそんなになるのだろうか。
当たり前か。
自分の娘が中2なのだ。
…あの気難しそうな親父さんが。
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