第1章

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秋に毎年行われる球技大会…… 学年関係なくクラス対抗で行われるレクリエーション……クラスの中から各種目の選手を選抜して、勝ち点を競いあうという催し…… そう、俺はそのバスケの試合に出ていた、はず。 自分の所属する部活の競技にはでられないから、バドミントン部の俺はバスケの選手に選ばれた。、 試合は決勝。当然のように三年生のチーム同士が優勝を争う展開となった。うん、そうだ。思い出した。 「丸橋先輩、がんばれー!」 下級生の女子から声援が聴こえる。 いつものことで、返事を返す気にもなれない。 俺は 小さな頃から女の子に間違われる事が多く、近所の婆ちゃんも俺を女の子だと思っていたし、小学校、中学校でもそれは変わらず、周りからは女みたい、と言われていた。 それが誉め言葉では無いと言うことは俺も分かっていて、そう言われるのが嫌だった。自分では全く自覚していない事だった。 が、高校に入ってその評価は一変する。 いわゆる男らしいいい男ではないが、綺麗な顔をしているイケメンくん。ということになり、女子の人気者になった。 端から見れば羨ましいと思うかもしれないが、それはそれで嫌だった。 まず、恥ずかしいし、それが原因で先輩に因縁をつけられることもあった。 できればそっとしておいて欲しかった。 たくさん告白されたが全て断った。 もちろん好きな人がいたから、と言うのもあったが、実のところ女の子とどう接していいのかわからない、と言うのが本当のところだ。 モテモテで女を取っ替え引っ替えしえいる。そんなありもしない噂が立ったせいもあって、経験豊富な男、そんなイメージが着いてしまっていた。 いやいやいや、童貞だって。 でも、経験豊富な男というイメージが崩れるのが嫌で、敢えて付き合うことはしなかった。だって、なにも経験がないことがバレてしまうから。 あと、卒業したら芸能人なる。なんて噂もある。あま、それは成れたらいいいなと思っているけれど。
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