第1章

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■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ そして、現在に至る── (なんでここに居る?) 体育館じゃないのか、記憶が全くない。 状況を把握しようと辺りを見渡す。 広い座敷にお膳が並んでいる。 (宴会?) 考えを巡らせようとしたが、猛烈な尿意に襲われた。 とりあえずトイレ── 座敷を飛び出してトイレを探す。 すぐにトイレのマークが見つかり、俺はトイレに駆け込んだ。 狭いトイレに小便器が三つ。満席だったが真ん中のひとつが調度よく空いた。 無駄に歩きにくい木のサンダルをつっかけ、俺は便器にたどり着き、チャックを降ろした。 (ふーっ、間に合った…………あれ?……ムけてる…………ラッキー!) ふと、右隣の視線を感じ、右を向いた。 目が合う。見たことあるような顔なんだけど…… 「よう、あゆむ!」 酔っ払った男は、気軽に声を掛けてきた。 「……たかし?」 「そうだよ。今日の出席者のなかで結婚してないの、俺とお前だけだってよ」 「え?」 「あーあ、30までに結婚する予定だったんだけどなぁ。気がつきゃ38歳かあ」 「……38?何いってんの?俺ら18だろ?」 「お?そうだった、そうだった。俺らは18。永遠の18歳。体は大人、頭脳は子供ってな」
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