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床に落ちている、血の付いたカッターナイフ。
「見せて」
「……怒って、ない?」
「怒ってないよ」
おそるおそる差し出された琴恵の左手首は無数の傷でぼろぼろになっている。
とりあえず、血は止まっているようなのであるもので手早く手当した。
「どうした?なにがあった?」
「……携帯」
「携帯?」
琴恵が震える手で指さした先にある携帯は、オレがここに来てからずっと、途切れることなく着信を告げ続けている。
手に取ってみるとすっかり熱を持った携帯の画面には、常に入ってくるメッセージが勝手にスクロールし続けている。
「見てもいいか?」
頷いた琴恵がロックを解除すると、そこから出てきたのは卑猥なメッセージの数々。
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