オレの可愛い子うさぎちゃん

5/8
前へ
/8ページ
次へ
「……ずっと、とまら、なく、て」 鼻声で、怯えたように琴恵が話す。 「ああ。 電源切ってしまえばいいんだ」 「……電源?」 不思議そうに首を傾けた琴恵に携帯の電源を切って渡す。 静かになった携帯に、琴恵はほっと安堵の息を漏らした。 「こんなことも気がつかなかったのか?」 「……ごめん、な、さい」 膝の上に琴恵を抱き抱えると、ぎゅーっと抱きついてきた。 まあ、パニックになってる琴恵に、そんなことに気付ってほうが無理か。 「今日、何時まで残業してたんだ? そんなに仕事たまってる割に、途中、二時間くらい姿見せないし。 戻ってきたかと思ったら、髪、濡れてるし」 抱き付いていた琴恵の身体がびくりと震える。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加