オレの可愛い子うさぎちゃん

「おやすみ、オレの琴恵」

額に口付けを落とすと、安心したのか琴恵は完全に眠ってしまった。

……くすり。

無防備な琴恵の寝顔に、うまくいきすぎて笑いが漏れる。

出会い系のサイト、しかも結構どぎつい奴に琴恵の個人情報を流したのはオレだ。
ご丁寧にエロいコラージュ画像付きで。

水道を壊したといっていたが、トイレに閉じ込められて水をかけられたことも知ってる。
しかも、気付いた人が助け出すまで、戸が内側から開けられないようになっていたことも。

だって、オレは会社でも、琴恵にストーカーされて困ってるって、周りの人間にそれとなく漏らしてるから。

……なぜって？
琴恵を手に入れたいからに決まってる。

いまの支社に異動してきて琴恵に出会ったとき、運命だと思った。
もっと早く出会えなかったのかと神を呪ったほどだ。
いまのオレの立場では、琴恵を手に入れることができない。