2007.8

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夏の終わりで その夏残暑が厳しく 汗が肌にまとわりつくような そんな季節だった 21歳のわたしは 結婚して3歳になる娘がいた 旦那は暴力がひどく 何度もわたしを殴り 旦那の親が病院に連れていってくれて 肋骨骨折なんてしょっちゅうだった 実家に帰り娘を寝かせて 親にお願いしては夜出かけることが 唯一の楽しみだった その日もいつものように 週末実家に帰り 友達に家の近くまで迎えに来てもらって 夜の街へ もともと夜働いていた私は キラキラした世界が大好きだった あの毒々しい雰囲気も 独特なアーケードの香りすら 薄っぺらに笑顔も ボーイのたまり場も 酒もなにもかも 浅はかで子供だった そんな何でもない日に出会った
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