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空からプレゼントが降ってくる。
親達がそれを拾い上げ、翌日何食わぬ顔で枕元に置くそのプレゼントを、子どもたちは今、自分達の手で受け止めていた。
それは、そのお方を実際に存在すると信じて諦めなかった高校生達の手の中にも落ちてくる。
だが、空にプレゼントを撒き散らしたそのお方は、プレゼントが全て無くなった後、空から喜ぶ子どもたちを見ながら、ゆっくり優しく言った。
「おやすみ」
と。
明けない夜はない。
奪った夜は、その日のうちに消え去って、ついでに悪夢も全て消え去った。
一夜にしてあの法律は夢の中へと姿を消えた。
残ったのは枕元に置かれたプレゼントだけだった。
【完】
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