出合い

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翌日。休みの連絡は昨日のうちにしておいた。 血をめっちゃ吐いて目からも血が吹き出したんです!と言い張ったから明日からが心配だ。 一応…メンタルクリニック? 予約を入れ、向かう。 待合室に、ヌジュラモッチャラエナさんの越してきた部屋を挟んだ二軒隣の人。あまり交流はないけど、たまに世間話をするくらいの間柄だ。 身なりはきれいなおっさんである。 「あ、おひさしぶりです。」 「ああ、こんなところで会うなんて、奇遇ですね。」 「はい。隣人のヌジュラモッチャラエナさんとかいう人が化物に見えまして…」 「ああ。僕もなんです。」 「あ、そうなんですか。なら幻覚じゃないかもしれないですね。さっきヌジュラモッチャラエナさんの写真、こっそり撮ってきたんですけど、医者に見せてみましょうか。」 「ああ、そのほうがいいですよね。」 二軒隣の人の名前が呼ばれ、彼は椅子から立ち上がり診察室に。 数分後。 「お医者さん、精神科やめるみたいです。」 お医者さんにもヌジュラモッチャラエナさんはヌジュラモッチャラエナさんだったらしい。 「たぶん異常なのはヌジュラモッチャラエナさんだそうです。帰りましょう。」 自分がまともだとわかった以上、ここに長居する理由はない。 かといってヌジュラモッチャラエナさんが隣にいる家に帰 る気にもならない。 「…飲みにでも、いきますか?」 「そうですね。」 二軒隣の人も同じ感情をお持ちのようだ。
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