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「おはようございます。あれ?先輩、なんか今日元気ないですよ?どうかしました?コーヒーあげますから、元気だしてください。」
会社。口うるさい…というか黙っててもなんかうるさいから存在そのものがうるさい後輩ちゃんが心配して、コーヒーをくれた。
こういうところで気が利くのが、彼女のいいところだろう。
せっかく貰ったし、さっそくいただこうか。
缶を開け、一口飲んで気がつく。
おしるこだ、これ。
まあ、いいか。甘いし。
脳の栄養にはなるだろう。
何かを忘れるために、いつも以上に必死に書類仕事。
今日はいつもより早く帰れそう…いや、帰りたくないような。
仕方ない。おしるこのお礼もあるし、後輩ちゃんの仕事を手伝おうかな。
自分の仕事を一段落させたあと、こっそり後輩ちゃんのパソコンにメールする。
[仕事順調?良かったら少し手伝わせて!]
数分後、返信。
[私は大丈夫ですよ。先輩、何があったんですか?今日なんか変ですよ?]
…気づかれるよなー、そりゃ。
[いや、ちょっといろいろあって家に帰りたくないんだ。]
[あれ?先輩って独り暮らしじゃ…あ、ご近所トラブルですか。大変ですね。]
[当たらずも遠からず…かな。]
[あ、じゃあうち来ます?狭いですけど。]
いやいやいやいや。
なんなんだ今日。
[いや、さすがにお年頃の女の子の部屋に上がり込むのは遠慮しとくよ。ありがとね。]
[そうですか…じゃ、仕事に戻りますね。あとで飲みに行きましょ、先輩の奢りで。]
[了解。なんでも奢るよ、いつもの居酒屋なら。]
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