144人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
それから5分くらいして。
タクシーが止まり、奴が乗り込んで来た。
うさんくさい顔をしたおやじだった。
おやじは日本語で、私は東京でモロッコ料理のお店をしている。日本人は大好きだ。私がフェズのいいホテルを予約してあげる。と言って来た。
「泊まる所決めてるからいいです」
「どこに泊まるの?なんてホテル?予約してあるの?」
「予約はしてないけど、友達がそこに泊まってておすすめしてくれたからそこに泊まります」
「どうして?そこよりいいホテルたくさんあるよ」
「そうですか。でも私はもうそこに泊まると決めてるので」
「どうして?高いよそこのホテル」
出た。どうして攻撃。日本人を騙す怪しい奴って、大体すぐに「どうして」と言って来る。
「高くても友達がすすめてくれたんで。それにそんなに高くないし」
「いくらですか?」
「3000円くらいだよ」
「どうして?もっといいホテルあります!」
ウザい…
最初のコメントを投稿しよう!