第2章

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 おやすみコールセンターのビルの後ろに隠れるようにして一軒のマンションがある。コールセンター勤務のオペレーター専用の寮である。設備は充実していて悪くない。虹彩認識によるセキュリティも万全だ。  さしたる趣味もない私は家に帰ってもあまりすることはない。いつもソファーに腰かけて一息ついてウトウトしてしまう。そのあとお風呂に入り髪を乾かしベッドに横になるのだ。  お昼には起きる。その後は本を読んだりマニュアルを確認して過ごした。マニュアルは随時更新される。こまめなチェックが必要だ。 「充電不足か」  今日はいつもよりゆっくりとお風呂に入ろう。ソファーに腰かけてもうろうとした意識の中で私は後輩の言葉を思いだしていた。
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