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こんな空間に、こんな時間に二人きりなんて、やっぱり無理。
しかも、あんな過去の出来事の夢を見た後なら、もっと無理。
「今夜は泊っていけって俺からの命令がきけない?」
「そんな命令をされても……もうとっくに就業時間は過ぎて……」
「じゃあ、残業扱いならいいわけ?」
「そ、そういう問題じゃな―…」
ヒィー……ッ!
何でまたこう私の手を捕まえたままの体制でジリジリと接近してくるわけ??
「どういう問題?」
「っ」
どうして見つめる??
そんな色気たっぷりの眼差しと声で、どうして見つめて寄ってくる??
寄ってこられた分だけ、後退して、
また寄られて後退して―…
「希穂―…」
「~…っ」
嘘……
顔、近い……
キス、される……!?
例え、元恋人同士の関係であっても、
例え、再会して良い男度が増した元カレ様にドキドキしぱなしで、惹かれまくってる気持ちがあっても、
嫌……!
この流れにのまれてしまったら、私、抜け出せなくなっちゃう!
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