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「ほら、今夜は俺様が接待してやる。存分に飲め」
「それはそれはとても光栄です」
もう、夜というより朝に近い時間。
あまり飲み過ぎたら仕事に支障が~…とか思っちゃうんだけど……
職場じゃない場所に二人でいる、この時間をお開きにしてしまうのが惜しいなんて思ってしまって切ない。
あんなに部屋に上がるのを拒否していたのに。
ああ、
そう。
もう少し。
もう少しだけ……
こんな気持ちになるから、〝お疲れ様でした”って秘書の顔で言って帰宅してしまいたかったんだ。
けど、
もう部屋に上がっちゃったんだもん。
若槻総支配人―…頼くんってホントに罪なひと。
「希穂のリクエストがあればお応えするけど」
「若槻総支配人が作ってくれるモノならなんでもいィれぇ~す……」
あぁ、口がまわってな~い……
酔っぱらったらぁ、ちゃんと介抱して下さいよねぇ~…
ちゃんと責任、とってくださいよねェ~…
なんて、
思ったことは、ぼんやりと記憶にある。
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