【絶対なる】任務【支配10】

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「お、おは……」 「おはよう」 「お、おはよう、ござ……」 「〝おはようございます。頼近様”」 「おはようございます……頼近……様」 「寝起きからヒトの顔見て、どもるなよ」 「だ、だって、それは……」 こんな状態で目覚めて動揺するなってほうが無理。 大体、なんで、若槻総支配人、アナタはそんなに冷静なの……?? 「希穂」 「はっ、はいっ」 「お前さ、」 な、何よ?〝お前”の後に、何を言うつもり……!? もしや、私の中の空白の時間について何か言われるんじゃ…… 「崩れてる」 「くずれ……?」 「化粧したまま寝てるから、メイク崩れてるぞ」 「……っ!!??」 確かに、顔面がカピカピしてる! やだっ、いま、私どんな姿で若槻総支配人と向き合ってるの!? 「か、鏡……洗面台借り……」 とりあえず洗顔してこようと慌ててベッドから抜け出そうとする。 けれども、 「……えっ」 私、 掴まえられた。 「行くなよ」 若槻総支配人の両腕にギュッと捕らえられてしまう。 「何で希穂は寝起きから慌ただしいワケ?」 「だって、メイクが……それに……っ」 「それに何で、二人ともこんな格好で一緒のベッドに居るのかって?」 耳元で聞こえる甘い、声。 「な、何で……ですか……」 「そう身構えるなよ。こういうシチュエーション、初めてじゃないだろ?俺たち」 「~…っ」 かぁっ、と頬が、耳まで赤く染まっていくのを感じる。
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