【絶対なる】任務【支配10】

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私、 あれから長い時を経て、やっぱり若槻総支配人と―…!? と、思ったけれども、 「寝ただけ」 「え?」 「一緒に寝ただけ」 「寝た……だけ……って……」 「懐かしいシチュエーションかもしれないが、何もかも昔通りの事はしていないってこと」 って、ことは…… 若槻総支配人の言葉通り、一緒にベッドで〝寝た”〝だけ”…… 「何だよ、その安堵した顔は」 「いえ、その……上司と部下で何かあったらマズいじゃないですかっ」 「何故?」 「なぜ、って、同じ職場での迂闊な行き過ぎた交友は……」 「〝迂闊な”関係でなければ問題はないってこと?」 私の髪を掬い取って、若槻総支配人が指に絡める。 「問題ないって……」 「希穂」 「っ」 耳元で、吐息と共に名前を囁かれる。 どうしよう…! 脈が、心臓が、頭が、気持ちが…… パニック状態で、心も身体ももたないっ! 秘めた想いが吐露してしまわないように必死に身体に力を入れて、若槻総支配人に背を向ける。
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