643人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
小さく、
頷いた私。
それからの会話は少なめ。
だけど、手を優しくひかれて、辿り着いたのは最近完成したばかりの豪華なマンション。
「ここ……」
「俺の家の一つ」
そんな言葉も頼君の口から出てくると、つい驚いてしまっても直ぐに納得出来てしまう。
広告に載っているモデルルームみたいな部屋へとエスコートされると、
私がごく普通な家庭の、ごく普通な女子高生だってこと、
忘れてしまう。
「今日の希穂も可愛いよ」
「ありが……と……」
「そんなに俯いてばかりいないで俺を見てよ」
くいっと顎を持ち上げられると、ちゃんと頼くんを見つめる暇もないまま、
唇で感じてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!