【絶対なる】一夜【支配9】

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それに、バスルームを使えって言われたって、扉や壁やらで隔てられているとしても、若槻総支配人の城(居住地)で裸になるなんて…… 向こうは親切心で言ってくれているんだろうけど、こっちはまたまた変に意識しちゃう……! 「お風呂は……大丈夫です……」 「いいから使えって」 「大丈夫です!っていうか、やっぱり今から帰ります!帰って我が家でゆっくりバスタイムにしますので帰ります!」 鞄を慌てて持って、若槻総支配人宅から深夜の脱出を試みようとする。 けれども、 「待てよ」 「見送りは結構ですからっ!」 「だから待てって」 「っ」 すぐ捕獲されてしまう。 若槻総支配人の手によって。 「離して―…っ……」 「やだ。そんな希穂からの命令を俺が素直に聞くと思う?」 「命令なんて……私はそんなつもり……」 ただ、 解放してほしいだけ。 本当に今度こそは。 もう就業時間はとっくに過ぎている。ここは勤務先のホテルじゃない。 あなたの部屋だから。
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