【絶対なる】一夜【支配9】

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だから、 ダメなのー…!! 若槻総支配人と距離を取りたい一心でまた一歩、後退しようとした。 と、 その瞬間、 私の足と何かがぶつかって、 「きゃ……っ……!?」 勢いよく後ろに倒れてしまった。 「いった……ぁ……」 何? 何が起こったの……っ? と、こんがらがる頭なりに状況整理をしようとすると、私の周りに散乱する本やファイルや書類のようなものが目に入る。 そして、 「あーあ……」 〝やってくれたよ”的な若槻総支配人の声が耳に。 「また派手に散らかしてくれて……」 「片付けます!今すぐに!お片付けしますからっ!」 申し訳ございませんっ! と、慌てて散らかしてしまった物を手に取って集めにかかる私だけど、 これもまた、そもそも若槻総支配人が私を追い詰めるから…… って、私のせい的な雰囲気に、はっきりと口には出せないけど納得いかない。 大体、引っ越して間もないのはわかるけど、こんなところに本やらファイルやら積み上げてるからこうなるんだって…… そう、 心の中でブツブツ言っていたけど―… 散らばる本や書類は、すべて仕事に関するものばかり。 〝ホテル総支配人” としての仕事に関わるものばかり、だ。
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