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『ずっと好きでした。結婚して下さい』
ボエ??
屋上は、喫煙スペースになっていた。
昼休憩のさ中、大勢の社員が紫煙を燻らせ、物思いに耽っている時刻。
彼らは一斉に2人を振り返った。
燈子ははじめ、課長の性質の悪いジョーダンだと思っていた。
何故ならば、
至って平凡なOLで、悲しいことにこの3年間、色っぽい話と無縁の世界にいた彼女。
対する彼は、傍目には会社で常にエリートのトップコースを行く29歳。
総務のお局様方が毎年懲りずにやっている
『当社内抱かれたい男ランキング』
で常にトップ5に入る、自他共に認めるイケメン課長だったからだ。
彼女は思わず、彼の額に手を翳した。
「…熱はない」
「や、やだなあ、持ち上げといて『うっそ、本当はク・ビィ~』
とかって落とす気でしょ?
人が悪いなあ、イヨッ、お代官様っ」
真顔の彼に怯えた燈子は、コノコノといつもの調子でおどけてみせた。
が、彼はしーんと黙ったまま、しかめっ面を崩さない。
「……………」
「……まさか…本当に?」
遥か頭上から私を見下ろす彼は(燈子は背が低い)、初めて見るような真っ赤な顔でコクリと一つ頷いた。
「…当たり前だ。yesかnoか」
即断を迫られた私の答えは__
『yes』
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