3 燈子の日常

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 ……………  子供はまだ作っていない。  そんな馴れ初めで、カレカノ期間が皆無だったから、  “もう少し2人でいたい” というのが彼の希望だった。 『私は別に構わないんだけどなぁ…』  然り気無く希望を仄めかした燈子に、 『出来たら、デキなくなるだろう?』  と冗談めかして彼は笑った。  オソロしいのは彼の場合、案外それが本音かもしれないということだ。   _はっ、イカン_  回想に耽っていた燈子は、気がつけば、お日様の位置が高くなっているのに気がついた。   _いけない、  今日は  バイトの面接だっ!_  ノンビリしてはいられない。  燈子はパンツを握り締めたまま、急いで部屋の中へ戻った。
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