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実は。
燈子は今日、バイトの面接を受けるコトを、夫の秋人にナイショにしていた。
そもそも彼の年収は、燈子にとって、目玉が飛び出るほど高い。
かつての自分のそれと比べると、泣きたくなる程の差がある。
ではナゼ、金銭的には必要がないバイトなど始めるのか。
① 自由に使えるヘソクリが欲しい。
② 貧乏性なので、働いてないと落ち着かない。
③ 一人で家にいても寂しい。
④ ヒ・ミ・ツ。
正解は、この全てだ。
ちなみに④も別に後ろ暗いものでなく、至って正当な理由である。
しかし、燈子は知っている。
経験上、彼に真っ正直に
『バイトがしたいです』
などと告げたなら……
ものすごく面倒クサイことになるコトを。
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