6 セレブのランチ

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6 セレブのランチ

 ちょうど同じ頃、燈子は__  固まっていた。 「ミシュランの1つ星って言うけど、やっぱり本場とは材料が違いますでしょ?ねえ」 「ははは…ソウデスネ。 海外は予防接種とか大変ですよね」 「?」  燈子が行った唯一の海外旅行は、卒業旅行の『驚異の秘境巡り インド人もビックリツアー』だ。 「なーんてね、アハハハ~」 「オーッホホホ、大神さんって可笑しな方」  ……気まずい。  昨日。  突然の電話で、燈子は役員会とナゼか同日開催の半強制参加行事、 「役員奥様 定例ランチ会」 に呼び出しをくらってしまった。  それで今、慣れない高級ランチを食みながら、奥様連中の小娘イジリに、カッチンカッチンに固まっているというわけだ。 「…にしても、大神奥様のお若いこと!  羨ましいわあ。  で、ご主人とはどのようないきさつで?」 「い、いやまあ。職場が同じでして」  さっきから彼女達、言葉は丁寧だが内容は微妙にエグい。  燈子は、矢継ぎ早の質問に辟易するばかりだ。
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