6 セレブのランチ

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_う~、食べた気がしないよ_  柄にもない場所に出て緊張しすぎたようだ。  右に左にヨロケながら、燈子はトボトボと帰路を歩いていた。  すると突然、背中から声を掛けてきたヒトがいる。 「あの…大神さん?」 「あ、光仲……奥様」  燈子は光仲夫人に連れられて、通りのバーガーショップに入った。 「いやあ、ハンバーガーってサイコーっすよね~~?」   ビックサイズのセットを猛然と貪る燈子を、唖然として光仲夫人が眺めている。 「でもちょっと意外です。光仲奥様が、マックだなんて」 「あら。私大好きよ。手っ取り早い栄養補給だわ。  あとさ、その『奥様』止めない?ダンナの付属品みたい」  光仲夫人は上品にオレンジジュースを嗜(たしな)んだ。 「あ、ふみまへ…ぶはっ!」  光仲夫人は、噎(む)せかえっている燈子を見、柔らかく微笑んだ。
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