6 セレブのランチ

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「ゴメンなさいね。  悪気はない人達なんだけど……  ちょっと退屈してるのよ。  アナタ、途中から元気無かったから……」    ハスキーな鼻に懸かったような声は少し男性的で、私の耳に心地好く響く。   にしても、  わざわざそれを言うために追いかけて来てくれたのだろうか。    ならば、なんていい人なんだろう。 「いえいえ、お気になさらず。 オナカ空いちゃってて…」 「ならいいけど?」  バーガーを食べ始めた彼女を、燈子はマジマジと見つめた。  よく見たら、スゴく綺麗なヒトだ。  ショートヘアが似合う小顔には、ハスキーボイスがよく似合う。   上背の高さはまるで宝塚の男役みたいで、小柄な燈子には羨ましい。  彼女は社長の姪っ子で、生粋のお嬢様なのだと聞いていたが、  “深窓の令嬢”  という雰囲気ではなくむしろ勝ち気で、男勝りな印象だ。  煙草を吸うのか、コロンに微かにスモーキーな香りが混じっていた。
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