6 セレブのランチ

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_でも……  奥さんがこんな素敵な人だって、光仲専務という男(ヒト)は浮気をするのだ。  ならばウチのダンナ様は、もっとするに違いない。  男の人って、よく分からない__ 「何?」 「あ、いやその…  もう1個、頼もうかな~なんて」  つい変な目で見てしまった。燈子は慌てて目線をメニュー版に移した。  あからさまに目を逸らした燈子を見て、光仲夫人はクスリと笑った。 「…いいかしら?」  バックから、シガレットケースを取り出した。  ここは喫煙席だし問題ない。燈子はコクリと頷いた。  彼女は気だるい様子で紫煙を吐き、まるで燈子の心を見透かしたように呟いた。 「バカよね、男。見栄を張るのにいつも必死。悪気がないのが厄介よねぇ」 「……ハイ」  それから彼女は、独り言のように呟いた。 「周りがきちんと見えないくらい、一生懸命なんだから。  助けてあげなくちゃね。ショボくれちゃったら可哀想」  ゆっくりと流れる煙を目で追いながら、燈子は考えた。 _ああこの人は、解ってるんだ…  それでなお、側で支えてあげようとしてる。  私は、こんな完璧な人の足元にも及ばないけれど。  心に抱えるわだかまりは、共有できるのかもしれない。  もう少し仲良くなれたら一度聞いてみたいな。 “オープンスケベとムッツリスケベ、どちらがマシですかね?”__
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