7 明日は休日

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 秋人は夢中で駆け寄ると、ピクリとも動かない肢体を見下ろし、その場に愕然とへたり込んだ。 「そ……んな」  現場保存の法則など知ったことか!  秋人は彼女の頭を持ち上げて、血糊が着くのも構わずに、冷たくなった頬に頬擦りした。 「燈子ぉ…」  ん?  これ……血?  何か変だ。首を傾げ、指で掬って舐めてみる。  甘いし。 「…ふみゃ~~」  息してるし。 「おいコラ」  ぺチペチと頬を叩いてみる。  するとピクリと顔が動いて、 「ウ……ウ~ン」  ニヒャッと夢の中で笑い、クルリと向こうに寝返った。 「……………」  ちっくしょおおお!  秋人は激怒した。  この俺に、何回名前呼ばせてんだよ!  怒りが過ぎると、秋人は却って冷静になる性質である。  低い声で一言を発した。 「……襲うぞ」 「!!」  と、被補食者的本能に急にスイッチが入ったのか、燈子はガバっと起き上がった。 「あ、あれ? ここはどこ?ワタシは誰? そうだ、晩ゴハンを……  ウッヒャー、もうこんな時間?!」  彼女は焦点の定まらない目で辺りを見回した。  明らかにテンパっている。
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