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やがて燈子が腕の中で、モゾモゾと、窮屈そうに身体を動かし始めた。
「?」
秋人が腕を弛めると、燈子は自由になった両手を彼の首に回した。
「おかえりなさい」
甘やかに耳元に囁くと、そっと頬に口づける。
「ばっ…か」
背筋に通った、ゾクリとする快感に、つい情欲がそそられる。
…そんなつもりじゃなかったのに。
これはオマエが悪いよな。
悪戯げにチラッと舌を見せた彼女に眉尻を下げると、秋人は優しくキスを返して、彼女を再びベッドに横たえた。
「もう…
時間、無くなっちゃいますよ」
恥ずかしげに目を逸らしつつ、燈子がプックリと頬を膨らます。
「店は夜通し開いてるさ。
今夜はまだ…長いんだ」
額を軽くぶつけ合う。
そう、明日は休日。
久しぶりに、朝寝坊も悪くない。
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