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「ホラね?
元部下の方にもゴメイワクがかかりますし。
おや、下から何か良い匂いが…
あー、オナカすいたなあ!」
嬉々として、ベッドを跳ね起きる燈子。
しかし彼は素早くその肩を押さえると、ドアに向かって大声で叫んだ。
「沖本。今非常に大切な任務中だ。
あと20分で降りるから」
「ハ………イ?」
『スープ、冷めないうちにね』
事情を察した支配人は、ドア越しに冷ややかな一言を残した。
「……ゴハン」
ポツンと呟き、愕然と見上げる燈子に、彼は涼やかに微笑んだ。
「元気な子供、作ろうな?」
うっ…キャアアアアアアアア…
コツコツコツ……
切ない悲鳴に反比例し、ドアから足音が遠ざかる。
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