8 常務のお仕事

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「……ん、ん~」 「大丈夫か、君」  彼女が目を覚ましたのは___  秋人が、仕方なく彼女を来客用のソファに寝かせ、後ろ頭の打った所を確認しようとした時だった。 「き、きゃあああああーー!!」  パッチリと目を開けた彼女は、間近に秋人の顔を確認すると、金切り声を上げて後ずさった。  「おおお、お許し下さいっ、大神常務。 わ、ワタシはまだ処女なんですっ! ファーストキッスもまだなんですっ」  何を勘違いしているのか。  恐怖に引きつった顔で、瞳には涙さえ浮かべている。 「ば、バカ。誰もお前なんか襲わない。  こ、こら、静かにしないかっ!! だいたい俺はこういう時に限って…」  間が悪いんだ!  秋人が慌てて手で彼女の口を塞ごうとしたその時だ。 「大神常務~、さっき言われた稟議ですけど……あ、すんません」  ほら、思った通りだ。  こういうときに限って、ノックをする習慣のない無礼な奴がやって来る。  パタンとドアを閉じ、急ぎ足で去ろうとした部下を、秋人は大声で呼び止めた。 「ま、待てっ沖本!」  彼の思いはただ1つ。  副社長が………怖い!!
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