8 常務のお仕事

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「スミマセンっ、ほんっとスミマセンでしたっ!!」  平身低頭して謝る彼女に、秋人は疲れきった溜め息を吐いた。  引き返そうとしていた沖本係長を何とか掴まえ、誤解を解くことが出来たのは幸いだった。 「いや~俺、大神常務の事だから、てっきり……」  随分な言われ様だ。 _俺の三大鬼門、秘書・バージン・社内メイクラブの揃った奴なんか、俺は絶対相手にはしない!_  秋人は憮然として、二人を交互に睨み付けた。 「やあ、美嶋さんっていうの?宜しくね」  沖本係長が腰を折り、人懐こく挨拶をした。  すると彼女は照れ臭そうに、上げた頭を再びペコリと下げた。   「は、はい。ヨロシク…お願いします」   (おっ?)  そういう機微には鋭い秋人。  彼は、彼女の表情が一瞬華やいだのを見逃さなかった。
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