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「スミマセンっ、ほんっとスミマセンでしたっ!!」
平身低頭して謝る彼女に、秋人は疲れきった溜め息を吐いた。
引き返そうとしていた沖本係長を何とか掴まえ、誤解を解くことが出来たのは幸いだった。
「いや~俺、大神常務の事だから、てっきり……」
随分な言われ様だ。
_俺の三大鬼門、秘書・バージン・社内メイクラブの揃った奴なんか、俺は絶対相手にはしない!_
秋人は憮然として、二人を交互に睨み付けた。
「やあ、美嶋さんっていうの?宜しくね」
沖本係長が腰を折り、人懐こく挨拶をした。
すると彼女は照れ臭そうに、上げた頭を再びペコリと下げた。
「は、はい。ヨロシク…お願いします」
(おっ?)
そういう機微には鋭い秋人。
彼は、彼女の表情が一瞬華やいだのを見逃さなかった。
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