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部屋に戻ると律がおり、膳と着物が用意されていた。
膳には玄米飯とすまし汁、野菜の漬物が乗っている。味付け用の醤がついており、それをつけて食べる。
「おかえりなさいませぇ」
律は平伏した。
「うん、ただいま」
「あの、うちに貴方さまのお世話をさせて下さいませんか」
「えっ、どうして」
「うちは初めて偉い方のお世話を仰せつかりました
覚悟は出来ておりますので、どっどうぞ律を弄んで下さいまし」
律は顔を真っ赤にして帯を緩めはじめた。
「ちょっ律さん、早まらないで」
「うぅ~、律には男の股ぐらを盛り上げる魅力がないのですね」
「違うよ!!」
なっなんなんや…この娘は…
眞一は律に自分は良く知らない女性は抱けない、夜の世話なんてしないでほしいことを伝えた。
「はい、あの、では食事や身の回りのお世話は」
そうだ…僕は何もこの時代の生活はわからないんだよな…
「うん、お願いします」
「はっはい、頑張ります」
律は嬉しそうに笑った。
「あれっ、なんで律が眞一のところに?」
葵は不思議そうな顔をして部屋に入ってきた。
「高様に眞一さまのお世話をせよと命じられました」
律は笑顔で答える。眞一は気恥ずかしさを覚え頭をかいた。
「眞一、良かったね
律は炊事洗濯何でも出来る器量良しだから」
「そんな、葵さま…照れます」
律は両頬に手を当ててうつ向いた。
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