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眞一は気分の落ち込みがあるため、牛車には乗らずに外を歩くと言った。
だが、華子からわざわざ隠れて来た意味がなくなると言われて、しかたなく牛車に乗っている。
そして眞一の上には行きと同じように華子がちんまりと座っていた。
僕はさっきまであんなに落ち込んでいたのに、今はこんなにもドキドキしてる…
あぁ…男ですいません…
なんかもう…幸せです
「眞一」
華子は静かな声で名前を呼んだ。
「はい」
「不安でしたの
あなたは私が鎌倉を倒し幕府を創るって言った時…私には出来ないと思いましたわ」
華子は一拍おいてから言葉を続ける。
「でも今日の文観殿とあなたの話を聞いて、あなたが本当に未来から来た方だと核心しました
あなたは本当に悲しんでいた
だから私は信じます」
華子は眞一の手をやわらかく握った。
「どうか、私に力をかしてくださいませんか」
「はい…僕で役にたてるなら」
そうだ…僕がこの時代に呼ばれた意味はある
どうなるかは解らないけど、挫けずに生きよう…
「なんだか疲れましたわ」
華子は眞一の上でもぞもぞ動き、半身になり胸に寄り掛かる。
「華子さん…」
あの、さすがにこれは恥ずかしすぎますよ…
心臓が口からでちゃいますよ…
「私、あなたのこと信用してますの
だからかしら、一緒にいると安心してしまいますわ」
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