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「う~ん」
起き上がり腕を伸ばすと筋肉痛独特の痛みが走った。
昨日は疲れていてよく眠れた。
「失礼いたします」
障子を開けて律が入って来た。
「眞一さま、おはようございます」
「おはよう、律さん」
眞一が返事をすると律はにっこりと笑う。
あぁ…朝からこんな可愛い子が起こしに来てくれるなんて…
「どうかしましたか?」
律は小首を傾げ眞一を見つめる。
「律さんに起こして貰えて幸せだなって」
あれ?僕らしくない…なんでこんな照れくさいことを言ってるんだ…
「まあ、もう…恥ずかしいです」
律は顔を真っ赤にして両頬に手を当てている。
かっ可愛いなぁ~
「そっそんなに見ないでください」
律はくるりと後ろを向いてしまった。肩ぐらいに結んである長い髪が揺れる。
「えっあ、その」
なにそのリアクションっ、男を喜ばせてんのっ
「律さん、機嫌なおして」
「はっはい…」
律は赤い顏で振り返った。
やばい…何を話かければいいんだ?
あ~変な間が空いてしまった…
気まずいよぉ~
「あっあの、着替えをお持ちしました」
気を利かせて律から口を開いてくれた。
「ありがとう」
着替えには小袖と袴が入っている。直垂(ひたたれ)を最初は用意されたのだが、武士とは言えない自分が着るのには抵抗があった。(鎌倉時代ではまだ直垂は格式が高い服ではありません
武士階級では広く着られていました
直垂が儀式用の服に用いられるのは江戸時代からです)
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