第二回 鎌倉

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律が朝食を運んで来た。お膳一人分である。 「律さん、一緒に食べよ?」 前から思っていたが…武士階級は家族と一緒に食事はしないのだ… 食事中は律は、ご飯をよそったりして世話をしてくれる。 「いえ、そんな恐れおおい」 「僕がいた時代ではみんなで一緒に食事をするんだよ」 「そうなのですか」 「うん、一人で食べるより二人で食べたほうが美味しいからね」 「わかりました、ではうちも用意してきます」 律は笑顔で頷くと部屋を出ていった。 部屋から戻ってくると律の後ろには同じく膳をもった葵がいた。 「律から話を聞いてね、お邪魔かな?」 葵はいたずらっ子のように笑う。 「葵さまったら…」 「いらっしゃい」 眞一は笑顔で葵に話かけた。 律さんと葵さんか…どっちも美少女なんだよなぁ… 「どうしたの眞一?にやにやして」 「はぃ?」 顏に出てしまったのかぁ… まあ、しょうがないよね…今まで美少女との接点なんてなかったし… 「大殿が眞一に話があるってさ」 「おおとの?」 「華子さまのお父上、貞氏様だよ」
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