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「長岡…私が幕府を開くのか」
高氏はしぼり出すような声で眞一を見た。
「はい、僕がいた時代にはそう伝わってます」
「そうか…なあ、お主ここに留まる気はないか」
「えっ?」
「是非とも私に知恵をかしてほしい」
高氏は眞一の瞳をじっと見る。
僕はこの世界に頼れる人はいない…
僕を知ってる人はいない…
一人ぼっちだ…
生きるためには…
「わかりました…ですがお願いがあります」
「なんだ?」
「牢屋ではなく正式な部屋、それから食事、その他生活に困らないようにして下さい」
「そのような事でよいのか?」
「はい、もちろん」
「わかった、これからよしなに頼む」
「はい」
眞一は部屋から出され、別部屋で待つように言われた。
とりあえず生活の心配はしなくて済みそうだ。
「はぁ~」
まさか足利尊氏が女の子だったなんて…
しかも美少女だし、びっくりするわっ
あぁ…疲れた
もう寝てしまいたい…
身体を横にすれば自然と瞼が落ちてくる。
眞一はそのまま睡魔に身を委ねた。
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