第一回 妖霊星

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「長岡…私が幕府を開くのか」 高氏はしぼり出すような声で眞一を見た。 「はい、僕がいた時代にはそう伝わってます」 「そうか…なあ、お主ここに留まる気はないか」 「えっ?」 「是非とも私に知恵をかしてほしい」 高氏は眞一の瞳をじっと見る。 僕はこの世界に頼れる人はいない… 僕を知ってる人はいない… 一人ぼっちだ… 生きるためには… 「わかりました…ですがお願いがあります」 「なんだ?」 「牢屋ではなく正式な部屋、それから食事、その他生活に困らないようにして下さい」 「そのような事でよいのか?」 「はい、もちろん」 「わかった、これからよしなに頼む」 「はい」 眞一は部屋から出され、別部屋で待つように言われた。 とりあえず生活の心配はしなくて済みそうだ。 「はぁ~」 まさか足利尊氏が女の子だったなんて… しかも美少女だし、びっくりするわっ あぁ…疲れた もう寝てしまいたい… 身体を横にすれば自然と瞼が落ちてくる。 眞一はそのまま睡魔に身を委ねた。
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