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「起きて」
… んっ、なんか身体が揺さぶられてる
眼を開くと目の前には足利高氏がいた。
「ふふっ 起きてくれましたね」
高氏は優しく微笑む。
かっ顔が近いよぉ~
高氏の顔は眞一の息がかかりそうな距離にある。
「未来人だけど、顔は私たちと同じなんですね」
高氏は眞一の鼻先を指先で触る。
「こほんっ」
高氏の後ろで咳払いがした。後ろには高貞が困り顔で立っていた。
「華子さま、それじゃ起きれないよ」
「あはっ、そうですわね」
高氏は照れたように笑い眞一から離れる。
眞一は起き上がり胡座をかいた。
「やっと詮議が終わりましたの
こちらに来るのが遅くなってしまって」
高氏は困り顔で首を傾げた。
「でも長岡がここにいると言ってくれて助かりましたわ」
「そうだね~、もし嫌だって言ったら座敷牢の中で暮らしてもらうことになったんだから」
えっ…マジで…
よかった、ここで暮らすって言っておいて…
ん?あと尊氏のことを…華子?
「あの足利…華子さん?」
「あら、未来では男名では呼ばないんですの? まあ、わたくしたちの前でしたら華子と呼んでかまいませんわよ」
「もう、特別なんだからね
あたしのことも葵って呼んでいいよ
でも外では高氏様、高貞殿って呼んでよね」
「はぁ、では僕のことも眞一でお願いします」
言ってしまってはなんだが…照れくさい
華子と葵を見ると、二人とも笑顔であるため眞一はより恥ずかしくなり顔を背けた。
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