第1ノ章 “出逢い”

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オフィスに残ったのはわたしだけ… 橘さんの机、いつもながらぐちゃぐちゃで この人の机を片付けるのには時間がかかる 窓に雨粒があたり 雨はやむどころかひどくなってる… 雷も鳴り出した…薄暗い事務所で 一人残されたわたしは 時計をみる…夕方の17時30分だ… これ以上、天候が悪くなる前にわたしは さっさと手を止めずに 書類を片付けていく… 気づいたら外はすっかり 暗くなっていて時計は夜の20時30分 あたしは書類を綺麗に片付けてから 自分の鞄を整えて傘立てから傘をとり オフィスの電気を全部消した… この会社はオートロックだから わたしがオフィスから出れば勝手に扉に鍵がかかる この会社の社員証がないと入れないから 防犯対策だけはしっかりしてる… わたしはさっさとオフィスを後にして エレベーターで1階に向かった ここは15階にあるIT企業 非常階段でおりるのは辛いの… 1階についたわたしは花園駅前に向かい そこから電車に乗って 隣の密花(ひそか)駅でおりる あたしの家はこの密花駅にあるから… 密花駅から自宅までの距離は短いし そこだけは楽だと思う… 傘をさしてどしゃぶりの雨を防いで歩いてると 路地裏から若い男性の呻き声が聞こえてきたっ
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