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混乱しすぎて力が抜けた。人のことをさんざん鈍感となじったあとは「待つ」だと?
「もう、訳が分からない……」
雪人はくにゃりと寿夫の肩に凭れ掛かった。寿夫は相変わらず雪人を抱き締めて離さない。
「なぁ、つづき、どうする?」
耳朶をくすぐるような声で聞いてくる。雪人の心に少しだけ反発心が芽生えた。
「今日はもうしたくない」
「はぁ?」
「このまま寝る」
「寝るって……お前泊まってくのか?」
「ああ、なんだか疲れた。どっちかがしたくないならしない。そういう約束だっただろ?」
「ほほ~ん。まぁ、俺にこうされてもしたくないって言えるんなら、それでもいいけどな」
言うなり寿夫は雪人のジーンズを下着ごと引き摺り下ろした。
「わっ、やめっ!」
「やだね」
抵抗する雪人の足をこともなげに押さえつけると、下腹部に顔を埋めた。
「福島っ、ずるっ……あ……あ……」
さっき中途半端に放り出されてしまっていた雪人の体は、みるみる昂まっていく。
「やっ……やめっ……ふくし……まっ……」
寿夫は雪人の言葉など全く聞こうとしない。ひたすら雪人を咥え込み、舌で、唇で、激しく愛撫を繰り返す。
ついには力の抜けた雪人の後ろに指を差し入れてきた。
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