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「待ってろよ、このままもう一回、イかせてやるから」
寿夫が再び動き始める。
「あ……福島っ……まっ……待って……」
「なんだよ」
「言いたいことがあるっ……」
「なんだぁ? 朝までしてくれとか、10回イキたいとか言うのか?」
腰は緩々動かしながら、やにさがった顔で見下ろしてくる寿夫に雪人は言った。
「こんど……聴かせてくれ……」
「なにを?」
「お前のベースが聴きたいんだ……」
「おまっ、あっ……ばっ、バカヤロー! こんな時にっ……」
「聴きたいんだ……」
「いっ……今宮っ……今宮!」
「聴きたいんだ……」
「いまみやっ!!」
寿夫が激しく動いたかと思うとすぐに止まった。
「福島……お前も……早ぇよ……」
雪人が悪戯っぽく微笑むと、まだ息の整わない寿夫がその頬を抓る。
「今宮、お前っ!」
「もとはといえばお前が悪い」
「今宮~っ、今夜は覚悟しろよ~~!!」
その後、雪人が10回イッたのか、朝までコースだったのかは定かではない。
SNOW・KISS
~END~
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