0人が本棚に入れています
本棚に追加
「クロフォード、今回一連の働き、貴方には感謝しきれません」
「もったいないお言葉にございます、姫」
「これからも、王子共々よろしくお願いいたします」
「かしこまりました……ところで姫、一つお伺いしたいのですが」
「申してみなさい」
「あの舞踏会でお召しになっていたドレスは一体どうやって用意したのでしょうか……?アクセサリーは大きさ的にまだ解るのですが、ジルベルト家に入る際、ドレスを持ち込めたとは思えないのですが」
「ああ……我が家は元々、絹の生産と加工で財を成した家。服飾に関しては嗜みとして幼少から習っていたのです。あのドレスは、余ったクロスを灰染めしたものから私が作りました」
「なんと……おみそれしました」
「そうだ!今回のお礼としては少ないけれど、あなたに何か繕って差し上げましょう」
「いえいえ!そんな!姫、お気を使わず……」
「何が良いかしらね……そうだ、アレが良いわ。簡単なものだけど……」
「何でしょう……?」
微笑み、歩きながら頭に布を巻く仕草をしたエラを見て、クロフォードは苦笑いした。
最初のコメントを投稿しよう!