人格形成

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これには早川も一瞬、キョトンとしてしまう。 「セフレ?」 「セフレです」 再確認した所で、早川が思わず「ぶふっ」と噴き出す。 「あれ、僕可笑しなこと言いました?」と小首を傾げるキツネ。 「いや、だって、なんで、セフレって」と笑いながら途切れ途切れに話す。「そんなお面つけて、キツネって呼んでって言って、中二病みたいなこと言って、まぁ、あなたの場合、ほんとにどっか悪いのかもしれないけど、あぁ、頭がおかし・・・」 そこまで言って、早川は今度は腹を抱えて大爆笑をする。 「そんなに可笑しかったです?」とキツネが不思議そうに早川の顔を覗き込む。 「いや、ふふ、すいませんね、患者さん相手に、ふひっ」 「早川さんの笑いかたって可愛げもクソもないですね」 「よく言われます、ふふ」 ひとしきり笑ったあとで、早川は「はぁーっ」と深い息を吐きながら、涙を拭う。 「久しぶりにこんなに笑いましたよ」と言えば、キツネが「僕はこんなに笑われたのは初めてですね」と笑い返す。 「早川さんも、だいぶ頭がおかしいんじゃないんですか?」とキツネが聞けば、「さぁ、どうでしょうね?」と早川も笑い返す。
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