イド、自我、超自我

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あぁ、知ってる、 これって中二病ってやつでしょ? それでも全然いいと思うんだ。 だって、それが小さくて大事な世界なんだから。 だって、誰も教えてくれないでしょ? 刺されたらどんな感じなんだろう 首を絞められるってどんな感じなんだろう 内臓をかき回されるってどんな感じなんだろう 死ぬってどんな感じなんだろう 考えれば考えるほど、 いつか実験したいって思うんだ。 だから、目の前にあったハサミがキラキラ輝いて見えたんだ。 いつか実験したい? ううん、今から自分で体験すればいいじゃない でも、大人に見られたときに怒られたんだ。 どうして怒られなきゃいけなかったんだろう。 誰にも迷惑をかけていないのに。 後片付けだって自分でしたのに。 なんで怒っているの? その問いかけにも答えてくれなかった。 そうか、これはしてはいけないことなんだ。 だったら、誰にも見つからないようにしないと。 これは小さい頭の世界のおもちゃ箱にいれないといけないね。 大切なものは何でもおもちゃ箱にしまうんだ。 大人がそういっていたから。 なんでも大切なものをしまうと、いろんな人とお話ができた。 みんな揃っていうんだ。 『あなたって優しいのね』 そんな評価を押し付けられても困るのに。 頭の中では何度もあなたの死体を想像しているのに。 あぁ、はやくおもちゃ箱を壊さないと、 壊さないと、世界がいっぱい大切なものであふれて、外にまであふれちゃう。 だったら、現実に小さい世界を作ってしまえばいいんだ。 誰にも守ってもらえなくて、笑ってくれなくて、泣いてくれなく、怒ってくれなくて、 そんな世界を作らなきゃ そこで一生懸命遊ぶんだ。 やりたいことはすぐにやろう 誰にも邪魔されないんだから。
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