キョウカラキミハ……

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「アラームか……今日も会社に行かなくちゃ」  先日、三年間付き合った彼氏にフラれ、がむしゃらに頑張って来た仕事でも大きなミスをした。  お陰で、後輩に新しいプロジェクトの担当を奪われ、会社でも肩身が狭い。  正直、何もかもに気力が沸かない。  それでも、朝陽は昇るし、時間は待ってはくれない。  社会人としての責任だけでなく、生活していく上でも、どんなに嫌でも仕事に行かなくてはならない。  重い体を起こし、左手で目頭を押さえながらサイドテーブルに右手を伸ばした時に、違和感に気が付いた。 「あれ?」  そこにある筈の感触ではなく、真っ平な何かが手の行き先を防いでいた。  パッと顔を右側に向けると、そこにあるのは壁。
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