第1章

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今日もいつもと変わらない1日が過ぎるハズであった。 この時間、いつもなら娘のカナミは、居間に座って朝食を待っている。 カナミに父親はいない。 3Kの間取りのこの団地に、母虹子と二人で暮らしている。 17年前、虹子は当時付き合っていたカレシに子供が出来たことを告げた。 出来ちゃった婚もいいかな!などと、これからのことを考えていたが、そのカレシは虹子の前から去って行った。 遊びの付き合いではないと認識はしていたが、なんとなくではあるが、男に他の女の影がちらついているのは感じていた。 (でも子供が出来たから大丈夫かな) これで自分に落ち着くという自信はあった。 しかし、妊娠を告げた時の相手の反応は今でも忘れない。
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